たとえば海外の親会社などにロイヤリティを支払う時、または借入金に関する利息を支払うときには、日本において源泉徴収をした上で相手先に支払う必要があります。そのため、契約額や算定された金額の全額を支払ってしまうと、源泉徴収義務違反となる可能性があり、また支払い後に源泉徴収税額分の返還が受けられない場合には、本来相手方が支払うべき税金を自己で負担することとなってしまう可能性があります。
また、国内にて源泉徴収をして支払いをした場合には、当該源泉徴収をした税金はその支払の翌月10日までに、税務署に納める必要があります。この納税は自己の納税ではなく、源泉徴収した相手方の税金ですので、その相手方が日本において納税したということを証明してあげないと、その相手方は自分の国での税務申告の際に外国税額控除を受けることが出来ませんので、その書類は日本において用意してあげる必要があります。
日本における源泉徴収が必要となる取引やその源泉徴収税率は国税庁のサイトにて列挙されています(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2884.htm)。こちらに記載されている税率はあくまで原則的な税率であり、租税条約において別の税率が定められている場合には、租税条約適用の届け出をすることにより、二国間で合意された税率での源泉徴収や納税をすることが出来ます。