◆日本の非居住者に該当するケース

社員が海外赴任をした際、その赴任期間が1年以上の期間を予定している場合には、海外赴任をすることとなる日から日本の非居住者に該当し、現地での労働の対価として受け取る給与等は日本における課税の対象とはならなくなります。

 

◆海外赴任期間中に日本の居住者から、日本の非居住者に該当するケース

当初の赴任期間が1年以上の期間を予定していなかったものの、赴任の途中から期間が1年以上となることが決定された場合には、その決定があった時から日本の非居住者に該当することとなり、給与所得が日本において課税されなくなります。

日本における課税関係に変更が生じることから、この赴任期間の変更は、辞令などにより書面で残しておくことが対外的な証明という観点から望まれます。

 

◆出国前の年末調整について

海外赴任により社員が出国する際には、海外赴任期間開始の前日を年末とみなして年末調整をする必要があります。従って、日本における勤務期間の最終日までの期間に対する給与について源泉徴収票を作成し、総支給額が500万円を超える場合には、税務署に提出することとなります。

なお、日本に在任していた期間を対象とする賞与を出国後に支払った場合、その金額が50万円を超えていれば、「非居住者に支払われる給与、報酬、年金及び賞金の支払調書」を作成して税務署に提出する必要があります。

 

◆海外赴任当初の課税について

海外赴任期間の開始が、給与や賞与の支給対象期間の途中となってしまうことがあると思いますが、その場合の課税関係は以下のとおりです。

まず、以下の条件を満たしている場合には、日本における課税はありません。

 ①支給の計算期間が1ヶ月以下である

 ②支給時点で海外に赴任している

通常は給与の支給期間は1ヶ月と考えられることから、給与支給期間の途中で海外赴任をした場合には、海外赴任後最初に受け取る給与は日本における課税の対象とならず、赴任先の国で申告・納税する対象となります。

賞与については多くの場合、支給対象期間が数ヶ月になると考えられることから、上記①の条件を満たさないため、賞与支払額のうち、日本における勤務期間に対応する部分の金額は日本で課税の対象となります。

海外赴任の後も、給与所得以外の所得が日本において発生するケースもあると考えられますが、非居住者が日本で所得を得ることとなる場合には、納税管理人の届出が必要であり、当該所得の金額次第では確定申告も必要となります。

なお、納税管理人には資格要件などはなく、個人でも法人でもなることが出来ますが、個人の所得や税額などプライベートな情報を扱うこととなるため、親族等に依頼するのが一般的と考えられます。